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【随時更新】2026年版ショコラと紅茶とお茶のペアリング検証/イナムラショウゾウ・クリオロ(帝国ホテル追記予定)

2026年バレンタイン ショコラと紅茶のペアリング検証実験。クリオロのショコラ、TWGとマリアージュフレールの紅茶、ナイフが並ぶ実食レビューのアイキャッチ
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バレンタインシーズン到来!今年はサロンドショコラなどのイベントも盛り上がり、どのチョコを買うか嬉しい悲鳴を上げている方も多いはず。

紅茶とのペアリングを研究している私としても、全て食べ尽くしたいところですが…今回はあえて「正統派ショコラティエ」に的を絞りました。

今、カカオ価格の高騰により、身近なチョコが「準チョコレート」に変わりつつある世相があります。そんな時代だからこそ、「本物のカカオの味を記憶し、後生に伝えたい」。そんな思いで、巨匠たちの作品と向き合いました。

これは私の「研究ノート」ですが、最高の一粒を、最高の紅茶と楽しみたい皆様のヒントになれば幸いです。

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紅茶とショコラのペアリング(マリアージュ)とは?

ペアリングとは、単に「食べ物と一緒に飲み物を飲むこと」ではありません。

異なる個性を持つ食べ物と飲み物をぶつけ合い、口の中で「1+1=3」になるような新しい味わい(マリアージュ)を探す実験です。

私が考えるペアリングには、大きく分けて2つの楽しみ方があります。

  1. 音楽的なハーモニー: ショコラの香りと紅茶の香りが重なり合い、余韻がより深く、美しく変化する楽しみ方。
  2. リセット: 濃厚すぎるショコラの脂分を、紅茶の渋みやお湯で洗い流し、次の一口を「最初の一口」のように新鮮に蘇らせる楽しみ方。

今回はこの両方の視点から、名店のショコラに最適解を見つけていきます。

谷中の行列店「パティシエ イナムラショウゾウ」とは?

東京・谷中。下町情緒あふれるこの街で、10年以上前から変わらず行列を作り続けている伝説的なパティスリーがあります。それが「パティシエ イナムラショウゾウ」です。

「職人肌の実力派」として知られていますが、今回ショコラ初心者の私は、買い方もわからない真っさらな状態で訪問しました。

扉を開けると、そこにはやけに眼光の鋭い男性が立っていました。

ドキドキしながら「これはどういう味ですか?」と恐る恐る質問を投げかけてみると、その返答は驚くほど端的で、かつ確実。無駄のない言葉で、味の核心を教えてくださいました。

さらに感動したのは、その所作です。

ショーケースからショコラを取り出し、箱に詰め、最後に中身を確認させてくれる一連の動きが、まるで宝物を扱うように丁寧でした。

「ここは本当にいいお店だ」と直感しました。

帰宅後に調べて驚愕したのですが、なんと接客してくださったその男性こそが、オーナーシェフの稲村省三氏ご本人だったのです。

名声を得てもなお、自ら店頭に立ち、お客と向き合い続けるその姿勢。食べる前から「このショコラは間違いない」と確信させられた瞬間でした。

【検証結果】イナムラショウゾウのショコラ「4つの協奏曲」

パティシエ イナムラショウゾウのショコラ詰め合わせ4個入り。左上:ベルガモット(丸い刻印)、右上:抹茶(緑のライン)、左下:バニラキャラメル(一本線)、右下:カカオ(金箔)
パティシエ イナムラショウゾウのショコラ詰め合わせ4個入り。左上:ベルガモット(丸い刻印)、右上:抹茶(緑のライン)、左下:バニラキャラメル(一本線)、右下:カカオ(金箔)
ショコラ(イナムラショウゾウ)ペアリング茶葉音楽的テーマ検証結果
右下:カカオ (金箔)タルボ・ファースト (リーフル)理性的ソナタカカオの酸味とお茶の渋みが額縁のように重なる、上品で知的な味。
右上:抹茶 (緑の線)チャイワラ (マリアージュ)ジャズセッション抹茶の旨みにスパイスが重なると、まるで抹茶のケーキのように重厚な重なる。
左上:ベルガモット (丸印)1837 BLACK TEA (TWG)優雅な協奏曲チョコの鋭い渋みが紅茶の甘みで軽くなり、ほんのり爽やかで優雅。
左下:バニラキャラメル (線)カレ ドール (マリアージュ)至高のデュオ濃厚なキャラメルに引けを取らないお茶の深み。口溶け・バランス共に最高。

店舗名: イナムラショウゾウ

賞味期限: 購入から約2週間(画像参照)

保存方法: 18℃以下

パティシエ イナムラショウゾウのショコラ原材料ラベル。パレオールキャレ、抹茶、ベルガモット、バニラキャラメルの成分表示と賞味期限

1、カカオ(パレ オール キャレ)× タルボ・ファースト

イナムラショウゾウのショコラと紅茶のペアリング検証風景。金箔のカカオと緑の線の抹茶ショコラ、背後にリーフルダージリンハウス「タルボ・ファーストフラッシュ」とマリアージュフレール「チャイワラ」のパッケージと茶液

パレ オール キャレは、カカオ55%と61%を緻密に配合したビターガナッシュで、タルボ・ファーストフラッシュとペアリングしてみました。

上品で理性的な味でした。カカオの酸味を殺さず、お茶の渋みが額縁のようにその味を際立たせる、非常に「クラシック」な調和です。

ジャスミンティーにしてもカカオの重厚さに華やかな香りが乗ることで、より「ロマンティック」な重なりが生まれそう。

2. 抹茶(緑の線)× チャイワラ

イナムラショウゾウのショコラ断面図。右:鮮やかな緑色の抹茶ガナッシュ、左:滑らかなダークガナッシュ。薄く均一なコーティング技術が光る

イナムラショウゾウの抹茶ショコラはお茶の旨みを閉じ込めた「濃厚なガナッシュ」が特徴でした。

抹茶でペアリングしてもいいけど、今回はマリアージュフレールのブルーティー「チャイワラ」で少し攻めてみました。チャイワラはウーロン茶ベースなのでスッキリ流す要素もありつつ、スパイスが抹茶と合わされるとケーキのような重厚な旨みを生み出しました。

まさに複数の旋律が厚みを作る「ポリフォニー」の状態で、新感覚のペアリング。これは思い切ってやってみてよかったです!

3、ベルガモット(丸いマーク) × 1837 BLACK TEA

イナムラショウゾウのショコラと紅茶のペアリング検証風景。TWG Tea「1837 BLACK TEA」とマリアージュフレール「カレ ドール」のパッケージ、グラスに注がれた紅茶、手前の皿に並ぶバニラとベルガモットのショコラ

チョコ単体では本物のベルガモットらしい鋭い渋みとビター感がある「大人の味」ですが、これをTWGの「1837 BLACK TEA」と、ベルガモットの鋭い「音」が、紅茶のベリーやキャラメルの甘い芳香に包まれ驚くほど軽やかに変化。

重厚なビターチョコが「ほんのり爽やか」に昇華される、まさに優雅なアンサンブルといえる重なりです。

4、バニラキャラメル(一本線) × カレ ドール (CARRÉ D’OR)

天然バニラとキャラメルミルクの濃厚なガナッシュに対し、同じく濃厚な「チョコレート・キャラメル」の香りを冠するお茶をぶつけました。

結果は「口溶け最高」の絶妙なバランス!

カレ ドールの深みが、ショコラの重厚さに一歩も引かずに並走し、一つの太い旋律となりました。お互いの「濃さ」が衝突せず、むしろ解像度を高め合った、ベスト・ペアリングです。

結論:紅茶とのペアリングで化ける! イナムラのショコラは味の輪郭がくっきりしており、酸味や旨みの主張が強めです。 ガナッシュに芯があるため、紅茶の熱や渋みと合わせても味が負けません。マリアージュフレールのような個性のある紅茶をぶつけることで、互いの香りが引き立つ最高の相性になりました。

「乳化の魔術師」クリオロへの再チャレンジ

私は普段、中目黒店を愛用しています。クリオロといえば、世界コンクールで優勝したケーキ「ニルヴァナ」が大好きで、これは何度もリピートしてきました。

実は何年も前に、サントスシェフのショコラを購入したことがあるのですが、当時は「やっぱりクリオロはケーキやマカロンの方が好きかも」と感じてしまい、それ以来ショコラからは少し遠ざかっていました。 ですが今回、改めて日本のショコラ界の先生であるサントスシェフと向き合うべく、数年越しの再チャレンジを決意しました。

サントスシェフのすごいところ
  1. C.C.C.金賞の常連: チョコレートのミシュランと言われるフランスの「C.C.C.」で、何度も最高位(金賞)を獲得している世界トップクラスの実力派。
  2. 「乳化の魔術師」: 業界でそう呼ばれるほど、チョコレートと水分の混ぜ合わせ(乳化)に長けています。口に入れた瞬間にスッと消える「究極の口溶け」こそが彼の真骨頂。

今回購入したのは、5個入りの「ビジュセット」です。

クリオロ「ビジュセット」の商品説明カード。プレーン、オレンジ・ミエル、ニルヴァナ、チャイ、プラリネ・アマンド・ノワゼットの5種類の内容量と原材料

お店の方に「ショコラを勉強したいんです」と少しマニアックな相談をしたところ、「それなら、この5個入りが間違いありません」と力強く背中を押していただきました。

専門店ならではのプロフェッショナルなやりとりに、期待が高まります。

店舗名: エコール・クリオロ

賞味期限: 製造日から10日

保存方法: 涼しい場所(15℃〜20℃が適温)で保存。

【検証結果】完成度が高すぎて、お茶が「ノイズ」になる?

今回のセレクトはインペリアルスーション(マリアージュフレール)と1837 Black Tea (TWG)です。

サントスシェフのショコラは、酸味・苦味・甘み・香りが「一粒で完結」しており、完璧でした。

その結果、ペアリングは微妙な結果に。特に、オレンジミエルをTWGの1837ブラックティーといただくと、なぜか味がオレンジーナのような人工的な味わいに!?

それ以外も、プレーンとインペリアルスーションも悪くない、しかしイナムラショコラのような調和と響きはなく、むしろサントスシェフの世界を邪魔しているようなもったいない印象に。

サントスシェフの乳化の魔術と複雑な味わいを最大限にリスペクトするなら「引き算」が正解だと思いました。

クリオロのショコラ断面図。ニルヴァナ、オレンジ・ミエルなどのガナッシュがきめ細かく乳化されており、極上の口溶けを示す滑らかな質感

お茶の渋みや香りを重ねるのではなく、「お湯」で口の中の温度を上げ、リセットすることに徹してください。

余計なノイズを消し去ることで、口溶けの瞬間に放たれる「シェフの計算し尽くされた味の設計図」を、最も鮮明に感じることができます。

結論

「完成度が高すぎて、お茶が入り込む隙がない」
ショコラを邪魔しない、引き算のペアリングがおすすめ。口の温度で溶かすのが正解です。

帝国ホテル追記予定

帝国ホテルの市川幸雄シェフ「バレンタインセレクション 2026」4個入とショコラ フレ ~柚子~を予約しています。しかし引き取りが2月10日なんで、どんな紅茶やお茶とペアリングするべきか迷っている方ブックマークしてお待ちください。


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ABOUT ME
ミス・レモン
ミス・レモン
幼い頃、ディケンズの『クリスマス・カロル』で描かれるクリスマスプディングやミンスパイといった英国菓子の描写に強く憧れていました。絵本の中だけの存在だと思っていたそれらが、紅茶教室で「実在する!」と知った時の深い感動こそが、私のアフタヌーンティー探求の原点です。

紅茶教室では紅茶の産地別の特徴や、ペアリング術、洋食器の知識、そしてアフタヌーンティーの歴史まで深く学び、今では、一口飲めばそのお店の紅茶が基本に忠実かどうかわかるほど。さらに英国菓子教室でも知見を広げ、2018年からは毎年欠かさず英国展へ足を運び、多様なスコーンや英国菓子の世界に触れる喜びに浸っています。

これまでに国内のホテルや紅茶専門店で100回以上のアフタヌーンティーを体験してきました。一度訪れたお店でも、変化や進化を捉えるために継続的に足を運び、その「解像度」を深めることを大切にしています。さらに、アフタヌーンティー体験をホテル業界全体の経営戦略という幅広い視点からも観察することで、他にはない多角的な視点と深い洞察で情報を発信しています。

アフタヌーンティーは、日常のストレスから離れ、素晴らしい体験を通じて美意識を磨き、人生を豊かにしてくれる最高の時間だと信じています。最高の非日常を求める皆様にとって、このブログが信頼できる「決定版」ガイドとなることを願っています。
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