【おひとりさま体験記】マリアージュフレール銀座松屋通り店で一年を締めくくる。おすすめペアリングと非売品の本に出会うティーランチ
仕事納めを終えた12月30日、自分へのご褒美に「マリアージュ フレール 銀座松屋通り店」へ行ってきました。
毎年恒例の福袋を受け取りつつ、ここで静かなティーランチを楽しむのは、私にとって一年を完結させるための大切な儀式。銀座の喧騒を離れて、温かい紅茶の香りに包まれる時間は、言葉にできないほど贅沢な「自分へのリセット」になります。
この記事では、銀座本店よりも落ち着いて過ごせる「松屋通り店」の魅力や、ギャルソンに相談して決めるペアリングの楽しさ、そして知る人ぞ知る「非売品の本」との出会いについてまとめました。
「銀座の紅茶専門店でおひとりさまランチをしてみたい」「一人の時間を上質に過ごしたい」という方の参考になれば嬉しいです。

なぜ「本店」ではなくなぜ「松屋通り店」なのか?

マリアージュ フレールの銀座本店は、いつ行っても活気に溢れています。若いファンやデートで訪れる方も多く、常にブランドが新しく愛されているのを感じて、それはそれで素敵なことだと思います。
ただ、今の私が求めているのは「おひとりさまに快適な、知的で静かな時間」。そうなると、自然と足が向くのは「銀座松屋通り店」の方です。
銀座松屋通り店がオープンしたのは2011年のこと。銀座本店に比べると比較的新しいため、長年のファンでも「こんな静かな場所があったの?」と驚く、穴場的存在です。
銀座本店と松屋通り店の違いを両方利用しているユーザー目線で説明すると、
銀座本店が「パリのアパルトマン」女性らしらを感じる閉じられた空間であるのに対し、松屋通り店は銀座の街のエネルギーをそのまま取り込む開かれた設計です。コロニアル風のインテリアからも、マリアージュフレールのブランドの精神である『冒険心』を感じることができるところも私の好きな理由です。
本店が優雅な「社交場」なら、松屋通り店は新しい航海に向けて視界を広げる「冒険者のテラス」といった感じですかね?
居心地の良い空間で一人静かに過ごしながら、街を眺めエネルギーもチャージできる。それが私が松屋通り店を選ぶ理由なのかもしれません。
マリアージュフレール銀座松屋通り店 予算・アクセス・予約方法
- マリアージュフレール銀座松屋通り店のアクセスは?
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マリアージュフレール銀座松屋通り店の最寄駅は東京メトロ銀座駅(A12)・東銀座駅(A7)です。
- ランチティーの予算は?
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お食事とお茶だけなら4,730円です。プラス1,650円でデザートの追加も可能です。
- ランチティーの予約方法は?WEBで予約できますか?
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予約は直接来店か電話のみです。
食べログ、一休、OZモールなどWEBサイトには対応していません。
マリアージュフレール銀座松屋通り店で年末最後のごほうびティーランチ
今回ご案内いただいたのは、スターバックスが見える銀座らしい躍動感に満ちた窓際の席。この席に座ると、大きな窓から銀座の街並みがパノラマで広がります。

隣には、今年手に入れたばかりの「福袋」を添えて。
マリアージュ フレールの美学に彩られた空間と、窓の外に流れる現代的な銀座の景色。このコントラストこそが、私が松屋通り店に惹かれる理由です。2022年の年末もここを訪れましたが、当時私が座っていた席には、やはりおひとりさまが静かに本を開いて時間を楽しまれていました。

椅子の隣の窓枠に、手に入れたばかりの戦利品「2026年福袋」の大きな紙袋を置きます。一年間色々あったけれど頑張った、そんな心地よい解放感に包まれます。

ティーランチの構成:肉か魚介か直感が選ぶ一皿
マリアージュ フレールのランチは、常に「肉料理」と「魚介料理」の2つの選択肢から始まります。
- お茶を使った前菜
- パン
- メインディッシュ(肉料理 または 魚介料理)
- デザート & 本日の厳選された紅茶
【12/30 本日のメインメニュー】
- 肉料理: 仔羊のフィレ肉のロティ 『紅茶ノエルアムールのソース』
- 魚介料理: 天使の海老のポワレ 『赤茶ノエルマジェステのヴィネグレットソ』
この日の肉料理は仔羊。そして魚介料理は、私の大好物である「海老」をメインに据えた一皿でした。 マリアージュフレールのランチティーはメゾンの推奨銘柄(シンギュラーティー)が明記されているので、訪れるたびにペアリングの奥深さが勉強になります。

フレンチでは「リンゴ(シードル)」のソースを合わせるのが王道の組み合わせです。ティーペアリングで表現するメゾンの粋な計らいです。

海老の香ばしさと、マルコポーロの甘い香りが合わさることで、まるでフルーティーなオリエンタルソースをかけて食べているようなマリフレお得意の複雑甘美な味わいと予想できます。
どっちも美味しそう…!
しかし、実はマリアージュ フレールの魚介料理では、これまでも何度も「天使の海老」をいただいています。ニューカレドニアの美しい海で育った天使の海老は、身の甘みが格別で、肉厚で私の大のお気に入りなのです。
仔羊も魅力的ですが、今回はこの「天使の海老」と紅茶のペアリングをさらに深く掘り下げてみたい。そんな探究心も相まって、迷うことなく魚介のコースを即決しました。
マリアージュフレール直伝|天使の海老に合わせる「究極のティーペアリング」とは?
マリアージュ フレールのランチ。100種類以上という膨大なリストを前に、「どれを選べばいいの?」「まるで呪文……」と戸惑う方も多いかもしれません。
でも、安心してください。マリアージュフレール銀座松屋通り店のギャルソンは、いわばお茶のコンシェルジュ。自分の好みを伝えることで、最高のペアリングへと導いてくれます。
今回、私が伝えた希望はこうです。 「メインの『天使の海老』に多層的に重なる、フレーバーティーとのマリアージュを体験したい」
ギャルソンが提案してくれたのは、2025年のクリスマスティー『ノエル インペリアル』でした。 青茶をベースに、ベルガモットの爽やかな香りが広がる一杯。最近アールグレイの魅力にハマっていた私にとって、これ以上ない「即決」の提案でした。

ここで一つ、プロから教わった「学び」ですが、 海老料理といっても、殻の香ばしさを活かした濃厚なアメリケーヌソースのようなお料理なら、力強い紅茶が合うケースも多いそうです。
しかし、今回の「ノエル マジェステ」のヴィネグレットソースのように、あっさりした酸味のソースには、ダージリンや青茶がおすすめとのこと。
こうした対話を通じて、自分の味覚の解像度が上がっていく。これこそが、専門店を訪れる醍醐味であり、大人の「ごほうびランチ」の正体です。
マリアージュフレールのランチティーいざ実食!
前菜:テ シュルルニルを使った繊細な味わい

マリアージュ フレールのティーランチ、その幕開けは「お茶を使った前菜」から始まります。
この日の一皿は、豆とカジキを合わせたもの。ソースに使われているのは、緑茶ベースのフレーバードティー『テ シュル ル ニル』です。 以前アイスティーでいただいた際にも感じた、シトロンの清涼感とエキゾチックな果実の甘い香り。本来なら少し重たくなりがちな豆とカジキの組み合わせを、このお茶のソースが驚くほど軽やかに、そして食べやすく整えています。
ここに、ペアリングとして選んだ『ノエル インペリアル』をひと口含めば、華やかさがさらにプラスされ、前菜の段階で早くも完璧なマリアージュに満たされました。
メイン登場:天使の海老が織りなす「冬の庭園」

運ばれてきたメインディッシュを目にした瞬間、その美しさにハッと息を呑みました。 それはまるで、冬の中に現れた「庭園」のようです。瑞々しい緑の野菜たちの中に、紫のトレビスが凛と佇む姿に、圧倒的な高級感を感じます。
主役の「天使の海老」は贅沢に5匹。絶妙な火入れによって、外は香ばしく、中は驚くほど肉厚で甘みが凝縮されています。

これらを包み込むのは、今年加わったばかりの新しいルイボスティーをベースにした『ノエル マジェステ』のヴィネグレットソース。ベルガモット、シナモン、アーモンドが重なるソースは、甘く爽やかで、まさにマリアージュ フレールらしい「複雑甘美」な味わいです。
添えられた野菜のサイズ感。どれも一口サイズで、この至高のソースをたっぷりと絡めやすいよう計算されています。
『ノエル インペリアル』とのペアリング考察

さて、今回の青茶ベースの『ノエル インペリアル』とのペアリングはというと。
烏龍茶特有の柔らかい飲み口とベルガモットの透明感が、海老の甘みを多層的に、かつ重くなりすぎない「奥行き」へと昇華させてくれます。まるで目に見えないフルーティーなソースが加わったかのようなマリアージュを体験できました。
甘く華やかな『ノエル マジェステ』のソースに対し、あえて同じ属性のバニラ系を重ねるのではなく、青茶ベースの『ノエル インペリアル』で奥行きを作る。このペアリングの妙を提案してくれたギャルソンの審美眼には、ただただ感動でした!
あまりの美味しさに、最後はお行儀を少し横に置いて、お皿に残ったヴィネグレットソースをパンで拭っていただきました。

ひとりティータイムを深める「紅茶芸術」という名の至福

ひとりで過ごすティータイム、お供に読書を楽しまれる方も多いはず。マリアージュ フレールでは、そんな時間に相応しい特別な一冊、『フランス流紅茶芸術(L’ART FRANÇAIS DU THÉ)』を借りることができます。
通常はテーブルに置かれていませんが、ギャルソンにお願いすれば快く貸し出してくれるこの本。中にはお茶の歴史からマリフレの銘柄リストまで、文字通り「お茶のすべて」が凝縮されています。
ページをめくるたび、「こんなお茶があったのか!」という驚きに満ちた発見があるのは、マニアならではの至福のひととき。中にはすでに廃盤となり、今では出会えない伝説の銘柄も記されていますが、気になる名前を見つけてはメモを取り、まだ見ぬ味に想いを馳せる時間は何物にも代えがたいものです。
アフタヌーンティーのフリーフローで、ぜひ挑戦してみたいです。

お土産の鉄則。狙った「焼き菓子セット」は即座にキープすべし
「福袋」の茶葉とペアリングするために、私は最初からお土産の焼き菓子を買うと決めていました。

- レーズンスコーン:2個
- 抹茶とラズベリーのフィナンシェ:1個
- マドレーヌ:2個(フレーバー違い:柚子 & アールグレイ)
しかし、お茶を楽しんでいる最中、そのうちの1セットがふいによけられたのを見逃しませんでした。マリアージュ フレールにおいて、人気のお菓子やケーキが瞬く間に売り切れるのは日常茶飯事。「誰かがキープしたようだ」と直感した私は、すぐさま自分用のセットも確保をお願いしました。
1時間ほど経ち、お会計に向かうと、2022年に私が座っていたあの「窓側の特等席」で、同じようにおひとりさまをしていた方でした。手元には、あの焼き菓子セットが。
そこで気づいたのです。早めのキープに動いていたのだと。
「おひとりさま」という楽しみを知る者同士、考えることや行動のタイミングが驚くほど似ている。 なんだか親近感が湧き、微笑ましい気持ちになりました。
店舗情報(マリアージュフレール銀座松屋通り店)
マリアージュフレール銀座松屋通り店 店舗情報
【住所】東京都中央区銀座4丁目6−1 三和ビル 2F
【電話】03-3564-1854
【最寄駅からのアクセス】東京メトロ銀座駅
【営業時間】
お茶の量り売り 11時00分~20時00分
サロン ド テ 11時30分~20時00分
【定休日】無休
【公式HP】マリアージュフレール銀座松屋通り店


